デザインとは
結論から書きます。
私はデザイナーですがデザインが一体なんなのかわかりません。
これからたくさん勉強して、さまざまなものをデザインして理解を深めていきたいと思っています。
ただ、独立してデザインについて少しだけ見えてきたこともあります。
今日はそれについて共有させてください。
Index
01.私がやっているのはアートじゃない
私はアートがとても好きです。
時間を見つけては美術館や展示会など文化的な場に足を運びます。
これはデザイナーになる前、学生の頃からずっと変わりません。
デザイナーとして独立してお仕事を受けさせていただく時、どんな案件でも共通して意識していることがあります。
それが「私がやっているのはアートではない」という意識です。
02.デザインを売るのは車を売るより難しい
ある方が教えてくれました。
「デザインを売るのは車を売るよりはるかに難しいこと」
ものにもよりますが、基本的に車の方が圧倒的にデザインより高くつきます。
では、なにが難しいのか。その答えを
“デザインは未完のものだから”
であると私は捉えています。
車は現物が実体として存在し、その性能を見て、触って吟味することができます。
一方デザインは受注段階では実体はなく、極論完成してみないとどうなるかわからないものです。
そこにお金を支払うということは「この人なら」という期待や信頼が対価に含まれているということです。
もっと言うならば、「購買」というより「投資」に近い行為かもしれません。
デザイナーはその期待・信頼に応えるのはもちろん、私はそれを上回れるよう、日々努力を重ねています。
03.主役はいつだってお客さま
アートは“表現”だ
一方、デザインにはクライアントの要望を実現する“手段”であると私は考えている。
敢えてもっとなだらかな表現をするならアートは主役になりうるがデザインは脇役であるべきものであると私は考えている。
Appleの創業者スティーブ・ジョブズはデザインについて下記のように語った。
「デザインとは“どう見えるか” “どう感じるか”というものではない。“どう機能するか”だ。」はたまた私の尊敬するロベルト・ベルガンティはデザインについて下記のように語る。
「デザインとは、意味を与えるものだ」仮に今私がデザインに対して感じる感覚が彼らの言う“機能”や“意味”であるとすれば合点がいく。
私はアートが好きだがアーティストではない。
お客さまのサービス・プロダクトetc.に機能・意味を付与する脇役だ。
主役はいつだってお客さまなのだ。
お客さまを差し置いて、自分が最前線に出てしまったら、それはデザインではなくアートになってしまうかもしれない。
デザイナーとして美しさは生涯追求したい。
だが、デザインを踏み越え、アートの領域に入らないよう常に意識する。
これが私の目指すデザイナー像であり、屋号EVに込めたメッセージでもある。
Tags
-
この記事を書いた人
Shun Otsuka
大塚 舜
北海道札幌市を拠点とするフリーのクリエイター。
千葉県で生まれ、関東・関西と全国を転々とし、現在は北海道札幌市を中心に活動中。
北海道大学卒業。
大学では心理学を研究していたが、人の心は読めない。大学卒業後、不動産会社に3年間従事し、2022年EVとして独立開業。
デザイナー・エンジニア・カメラマンの3役を兼務し、大手企業から個人まで多種多様な業種のクリエイティブサポートを行う。
好きなものはお風呂。苦手なものは高いところ。
素直で真面目。今年頑張りたいことは早めの確定申告と自炊。
自称、褒められて伸びるタイプ。